恐ろしい歯周病の全身への影響
歯周病の怖さはただ単に口の中だけへの影響だけでなく歯肉の毛細血管から血流にのって全身に広がり菌自体と菌が出す毒素によって重大な疾病を引き起こします。
特に循環器系への悪影響は深刻で、死につながる恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが爆発的に増えます。
血管壁を傷つけ動脈硬化を起こす
歯周病の全身への影響で一番恐ろしいのはあらゆる血管壁に感染して動脈硬化を起こすことです。この動脈硬化の進む勢いは強烈で老化によるリスクよりも危険だと言われています。
菌が血管壁に付着してそこに血小板がどんどん集まり塊を形成して簡単に内壁の厚みが増して血管を詰まらせる原因となります。
すなわち歯周病の人は年齢に関係なく心筋梗塞や脳梗塞の爆弾を抱えているといってもいいのです。
これに飲酒や生活習慣が重なったり喫煙・肥満などのリスクが重なるといつ何が起こってもおかしくないほどのリスクを負っています。
それくらい歯周病菌の血管壁に与えるリスクは爆発的なのです。
歯周病患者=動脈硬化患者と思ってください。
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心臓の弁にたまって突然死を起こす
急性の心臓病などで亡くなった患者さんの心臓を検査すると心臓の組織や血管そして弁に歯周病菌がたっぷりと付着している事実が近年明らかになっています。
これは全身に回っている歯周病菌が心臓に集まり増殖して組織を蝕んでいる証拠です。心臓の血管壁を傷つけ機能を低下させ血管を詰まらせて心筋梗塞を起こすのも怖いですが菌の毒素や悪い働きで心臓の弁に悪影響を及ぼし弁自体の機能が低下して重大な疾病を起こします。
へたをすると突然死を起こさせる心臓発作のリスクもあります。そこに至るまでも弁の機能が低下するということは全身の健康にももちろん悪影響がありますし日常生活に制限が起こるような疾病も起こります(心内膜炎や弁膜症など)。
糖尿病を起こさせ進行させる
歯周病は糖尿病が原因でもあり、また糖尿病を劇的に進行させる関係がありますが歯周病が進行すると菌から毒素がどんどん放出されて血糖値を結果的に上げてしまいます(血糖値を下げるホルモンの作用を阻害するのが原因)。
糖尿病が原因で歯周病になった人も相乗的に悪化しますが健康な人も血中に歯周病菌と毒素が増殖して重篤な糖尿病になるのです。
歯周病菌は死んだあとも毒素を出し続けるので早めの治療が何よりも大事になってきます。
妊婦にも悪影響を与える歯周病菌
歯周病菌の全身への悪影響の重大なひとつに妊婦へのリスクがあります。妊娠した女性が歯周病になると子宮が収縮を起こし早産になったり、赤ちゃんがきちんと育たないで低体重児での出産のリスクが高まります。
これはプロスタグランジンという物質が関わっていて歯周病菌はこの活性物質を作りだす作用があります。プロスタグランジン自体は鎮痛剤として利用されていたり筋肉増強に利用されていたりする物質です。
ですがこのプロスタグランジンが子宮内に増え羊水に増殖すると早産の原因となります。すなわち歯周病菌はは血流にのって子宮内に入り込み増殖してこの活性物質を作りだし早産や低体重児のリスクを増大させます。
その他にもリスクがいっぱい
歯周病菌は毛細毛管から全身に広がるのですべての臓器に悪影響を及ぼします。心臓や脳もそうですが肝臓・腎臓はもちろん呼吸器にもそのリスクは起こり高齢者では簡単に肺炎になったりとそのリスクは計りしれません。